ローランドが出している「GR-55」というギター・ベースシンセサイザーを紹介いたします。

GR-55BK

メーカーの公式ページは、こちらです。

個人的には、とても便利で、素晴らしい機材だと思うので、是非試奏して頂きたいと思っているのですが、

専用ピックアップが必要だったり、高額な商品だったり、最初の一歩が難しい商品だとも思います。

今回は、私がGR-55をどのように使っているか、コツや工夫をお伝えできれば幸いです。

以下の動画で詳しく説明と実演しております。

GR-55は、最大で4種類の音を同時に出すことができます。

1、PCMシンセサイザー1

2、PCMシンセサイザー2(内容は1と全く同じもの)

3、モデリング(ギター・ベース・シンセ)

4、ノーマルピックアップ

GR-55 4つの音色
これは3つの音色が出る状態

これらを組み合わせて、さらにエフェクトをかけて、音を作ります。

これはディレイがオンになっている状態

ですので、とても分厚い音色を作ることができます。

ノーマルピックアップのみのアウトプットと、GR-55で作った音のアウトプットは、別に用意されていて、かつ常に同時に出力しているので、

私は、別途スイッチャーを用意して、無加工のノーマル音と、GR-55を通した音の切り替えをしております。

※この設定はGR-55本体でも変えられるので、スイッチャー無しでも、もちろん使えます。

専用ピックアップ「GK−3B」のスイッチで音色のバンクの切り替えができ、本体のペダルでパッチの切り替えができます。

※この設定がデフォルトで、ピックアップのスイッチを他に割り当てることも可能です。

また、専用ピックアップにボリューム調整もついているので、足下のペダルをワウなどにしている時に、使えます。

GR-55は、どういう時に使うか?

私はバンドサウンドでない曲、例えば、

クラシック寄りの曲

Time to say goodbye

千の風にのって

テクノなどの曲

Rydeen

ウッドベースを使うオールディーズ

ダイアナ

80年代以降の打ち込み系

マテリアルガール

Like a Virgin

We found love

など幅広く使っております。

ここで、私がGR-55をベースでうまく使うコツを説明します。

まず、このPCMシンセ音源はベースで使う場合、レイテンシーの遅れ、発音の遅れが発生します。

ギターの高い音や細い弦でしたら、気にならないぐらいなのかもしれませんが、

ベースの太い弦をローポジションで弾くと、遅れてるのがわかるぐらい遅れます。

特に、音のアタックが大事なベースの音では、はっきりわかります。

そのため、私は、12フレット以上のポジションで弾くようにしております。つまり、シンセは1オクターブ下の音が出るようにするのです。

こうすることで、レイテンシーの遅れは、気にならないぐらい解消できます。

また、弱く弾くと反応しないことがあります。

シンセ本体の設定で、ピッキングの強弱を認識して音色をコントロールすることはできますが、誤動作防止のために、なるべく強くフルピッキングで、強弱はボリュームペダルでつけるようにしましょう。

※音色のパラメータにアタックという項目があるので、なるべく早く発音する様に設定してます。

この現象は、専用ピックアップの場所・高さ、ベース本体の調整をがんばって詰めても発生します。なるべく弦高は低く、ネックはまっすぐ、オクターブピッチは正確に調整しましょう。

また、このGR-55に相性の良い楽器ですが、経験上、

フォデラやMTDなどのハイエンド系はもちろん良いですが、プレックなどでキチンと調整されていて、かつ重くて硬い楽器、共振の少ないタイトな楽器の方が良いと思います。

ローズ指板よりメイプル指板、アルダーボディよりアッシュボディ、ボルトオンよりスルーネック、スパイラルブリッジよりセパレートブリッジ、などです。

モデリング音源の方は、ローポジションでもレイテンシーを感じた事は、あまりありません。

モデリングには、ジャズベ・プレベ ・ストラト・レスポールなど、使える音色が多く、パラメータには、ピックアップのバランス、トーン、各弦の音量バランスなど、細かく設定できます。

各弦ごとにチューニングを変えることもできるので、自分は試したことがないですが、

ノーマルチューニングのギターで、ドロップチューニングやオープンチューニングの音を出すなども可能だと思います。

エフェクトも入っていて、ボスのマルチに入っていそうな、基本的なエフェクトはほぼ入っています。イコライザー・コンプ・コーラス・ディレイ・リバーブなど。リングモジュレーターなど変わり種もあります。

基本的なエフェクトは、ノーマルピックアップの音にもかけられるので、普通のマルチエフェクターのようにも使えます。これだけで音作りが完結できます。

ボリュームペダルを強く踏み込んでスイッチを入れると、音色を変えたり、エフェクトを変えたりでき、ある程度自由に機能を割り当てることができます。これがとても便利な機能で、

フィルターをかけたり、音程をベンドしたり、幅広い使い方ができます。

私の場合

シンセベースはフィルター、

ストリングスはピチカートとアルコの切り替え、

ギターはワウのオンオフ、

ソロはワーミーのオンオフ、

オクターバーにしたり、コーラスにしたり・・・工夫次第で、どんな音でも出せる最強の武器になります。

別のコントロールペダルもあり、それにも色々割り当てることができます。

シンセでしたらホールド、ギターでしたら歪みのオンオフ、などなど。

ピアノや管楽器など、アコースティック系の音色は、正直コントロールが難しいです。レガートやスタッカートなど、抑揚をつけるのが難しく、

特にベースの場合、余計な弦のミュートが大変なので、簡単なアルペジオや、ロングトーンなら大丈夫と思いますが、こったフレーズを弾く場合は、工夫がいると思います。

GR-55には、ギター・ベース数本分の設定がメモリーできるので、4弦でも6弦でも使い分けることができます。

GR-55の設定は、とても項目が多く、一見すると複雑そうですが、逆にいうと、キチンとやればどんな楽器でも最適な設定ができ、ストレスなく持ち替えることができます。

2番と3番ペダルの同時押しでチューナー、3番とctlペダルの同時押しでルーパーになります。

ルーパーでループしているフレーズには、ボリュームペダルは効かないので、自分で作った伴奏に、自由なソロができます。制限内でしたら、音色を重ねていくことも可能です。

USBメモリも使えて、音色や本体の設定のバックアップ、mp3など音声ファイルを読みこんで、ソロ演奏も可能です。

※音声の再生・停止にペダルを割り当てられますが、私はやったことがないので未確認です。

以上の理由から、

私は、このGR-55を強くお薦めします。